実際に滞在して見えた星野リゾートの経営戦略(3) | 顧客視点で新しい需要を掘り起こす
実際に滞在してわかった星野リゾート・トマムの経営戦略をシェアします、
の3回目になります。
星野リゾート・トマムの前身、
バブルの遺産といわれた
アルファリゾート時代に決定的に欠けていたもの。
それは、従業員に「お客様のために」という
“顧客視点”が皆無だったこと。
そこで星野社長は研修や書籍を通じて、
スタッフたちに「常にお客様のために何ができるかを徹底的に考えよう」と、うながし続けました。
指令はトップダウンでも、
出てきたアイデアはボトムアップで、よいと思うものは吸い上げ、
それがまたスタッフのモチベーションにもなったのです。
そんな中、
ゴンドラ操作スタッフから提案されたのが、
今や初夏~秋の北海道の新たな風景として認知されている
「雲海テラス」。
ゴンドラスタッフにとっては、
日常的に見ていた何でもないあたりまえの風景でした。
それが「お客様のために」という意識を常に頭の片隅に持つことで、
「この景色をお客様にも見てもらおう!」というヒラメキにつながり、
そこにテラスを設ける、
というアイデアにつながっていったのです。
それが今や、スキーシーズンだけでなく、
オフシーズン集客できるツールとなって
新しい需要を生み出したわけです。
(それでも星野社長は、このアイデアが出たとき、
テラスの設置に躊躇したようです)
- 「顧客視点を忘れるな」
- 「意識をひとつ変えるだけで、いつもの風景がちがって見える」
どんなに顧客側の視点を意識していても、
いつのまにか供給者側の視点になってしまうものです。
大事なのは恒常的な意識付けと、
(お客様はどう思っているのかという)想像力。
いつもと変わらない通勤の道すがら、
いつもとは違う意識をひとつ持つだけで、
いつもとは異なる発想が生まれてくる。
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