実際に滞在してわかった星野リゾートの経営戦略(2) | ターゲットを“具体的に”定める
星野リゾート・トマムにて。
トマムのニッチ戦略におけるターゲットとは、ずばり “ファミリー”。
星野リゾートの調査によれば、
日本人のスキー経験者は85%、
そのうち、今もスキーを楽しんでいる人は25%、
かつては楽しんでいたが、今はスキーをやっていない人が60%
であり、ほかの北海道スキーリゾートは、
この「今もスキーを楽しんでいる25%」の取り込みに力を入れていたのです。
残りの60%は、80年代のスキーブームを知っていて、
今は多くの人が結婚し、子供が生まれ、仕事も多忙で、
スキーをやらなくなった人たち。
つまり、星野リゾートは、
この60%を占めるファミリーをターゲットに設定しました。
「需要の再喚起」という点で、
一気に市場の“リーダー”になれる可能性を秘めている
隠れた市場です。
発想の転換と、目のつけどころがいかに大事か。
しかし、それと同時に
このような
「需要の掘り起こし」や
「顧客に気付かせる」ことがどれほど大変か、
ということも覚悟しなければなりません。
星野リゾートは、
家族向けサービスを向上させ、
ファミリー客の満足度を高める戦術を積み上げ
競合との差別化をはかっていきました。
具体的には、
お母さんと子供を徹底的にフォローする、
もっと言えば、
ママのストレスを軽減しながら、
子供も楽しめ、家族でリラックスしたリゾート滞在を実現することです。
例えば、
- 赤ちゃんスイート(赤ちゃんのいる家族のためのスイートルーム)
- 15分単位で利用できる託児所
- バイキングレストランのチャイルドカート
- 離乳食の提供・・・etc
- できるだけ“リアル”な“ターゲット”を定める
- そのターゲットが必要としている具体的な施策を考え、実行する
(3)へつづきます
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